私が小学生くらいの頃は歯に銀色のワイヤーをつけて歯並びを矯正する方法しかありませんでしたが、近年は矯正中でも目立ちにくい透明なマウスピースでの矯正方法も一般的になってきました。
今回はそんなマウスピース矯正についてのお話。
目次
マウスピース矯正ってどうなの?ちゃんと綺麗になるの?
私も2年ほどかけてマウスピース矯正をしてきました。そして結論から言います。
マウスピース矯正で歯並びは100%綺麗になります。(症状の度合いによってはワイヤーでしか矯正できなかったり、保険適用の外科手術が必要になったりしますが)
話をしてる時や笑った時など歯が見えるような場面の印象ももちろん変わりますが、口を閉じている時や顔を横から見たときの印象すらも変わります。
私は矯正前でも正面の見える部分の歯並びが悪いというわけではなかったのですが、奥歯のかみ合わせが悪かったです。最終的に矯正が終わると、奥歯の上下が本来あるべき位置にしっかりとおさまったような感覚で、顔もほんの少しですが小さくスッキリしたと思っています。
「マウスピース矯正でちゃんと綺麗になるのか」という不安は持たなくていいかと思います。
マウスピース矯正とは?
では実際にマウスピース矯正とはどのようなものかというと、歯に被せる透明なマウスピースを使って歯並びを矯正する方法です。
実際のマウスピースです。
よくある歯の表面にブラケットやワイヤーを装着する矯正方法に比べて圧倒的に目立ちにくい矯正方法になります。患者一人ひとりの型にあったマウスピースをオーダーメイドで作り、1つのマウスピースを1週間~数週間使用し、歯がちゃんと動いたら新しいマウスピースに交換していくということを繰り返して、歯並びを綺麗にしていきます。
マウスピース矯正の種類(ブランド)
マウスピース矯正と言っても、意外とたくさんの種類(ブランド)があり、マウスピースの形や治療期間、費用などにばらつきがありますが、その中でも私は「インビザライン」というもので矯正を行っていました。
費用は少し高めですが通院頻度の少なさや型取りの回数の少なさ、実績の多さなどでインビザラインを選択しました。
安さを謳い文句としているものもありますが、結局治療が終わるまで総額がわからなかったり、通院頻度が多かったりと不安要素が残るのでしっかりと下調べも必要かと思います。
ここでは実際に私が経験したインビザラインについて詳しく書いていきます。
インビザライン
開始年齢 | 小学校低学年 |
治療範囲 | 前歯の部分的なものから、全体の治療が可能 |
適応症例 | 重度の出っ歯、受け口、すきっ歯、八重歯、叢生、不正咬合、後戻り等幅広く対応 |
噛み合わせ | 見た目だけでなくかみ合わせも一緒に改善 |
来院頻度 | 最初は1か月に1度。その後1~3か月に1度程度 |
型取り | 状況に応じてスキャン(当初の予定通り動いていれば追加で1、2回程度) |
見た目 | 透明なため目立たない |
痛み | 痛みは少ない |
お手入れ | 取り外し可能なため清潔な状態を保てる |
後戻り | 後戻りの可能性は少ない |
費用 | 40万~120万程度 |
インビザライン治療を行っている歯科のページに書いてあることをまとめるとざっとこんな感じになりますが、一つ一つ詳しく見ていきましょう。
治療開始年齢
まず治療開始年齢。小学校低学年からできると書いていますが、私は高校卒業した以降くらいにやるのがいいかと思っています。
というのも小学校低学年はまだ顔の骨格が完全に出来上がっておらず、骨格の成長によってせっかく矯正またずれてきてしまう恐れがあるからです。実際私は小学生のころワイヤー矯正をしていましたが、親知らずが横に生えてきたり身長がかなり伸びたりしてかみ合わせがずれてきてしまいました。
そのため骨格がしっかり形成された後に矯正を始めるのがいいかと思います。
最近だと社会人になってお金に余裕ができて矯正を考える人も多いのではないでしょうか。個人的にそのタイミングが一番いいのではないでしょうか。
治療範囲
前歯だけの部分的な治療から、全体の治療まで可能です。
私は奥歯を含む全体で治療しました。
適応症例
これも表に書いてある通り、ほとんどの症例に対応しています。
ただし、稀にある骨格が原因の不正咬合などには対応していません。その場合は保険適用で治療が可能なこともありますので、カウンセリングなど受けた際に聞いてみてください。
噛み合わせ
全体の治療が可能なのでもちろん噛み合わせの改善も見込めます。
マウスピース矯正の種類によっては前歯だけだったり歯並びの改善が見られないものありますので注意してください。
来院頻度
一度の来院で4~12枚くらいのマウスピースを受け取り、それを1週間~10日くらいの期間で交換していきます。なくなったら受け取りに行くという感じで大体1か月に1回から状況に応じて3か月に1回程度の通院になります。
型取り
一番最初に歯をスキャンして型をとります。
自分の場合だと、8か月後に1回、その8か月後に1回と計2回のスキャンで全て終了しました。
スキャン自体30分程度で終わるので、予定通りにいかずスキャン回数が多くなったとしても特に問題はないかと思います。ただスキャンした後はマウスピースが届くまで約1か月期間が空いてしまうのでその点だけ頭に入れておいてください。
見た目
見た目に関しては少し離れていれば本当にわからないくらい目立たないです。
ですがここで一つ落とし穴があって、ほとんどの場合マウスピースだけというわけにはいかず、ゴムかけというものが必要になります。そのゴムかけをしているとワイヤー矯正ほどではないですが若干目立ちます。
写真で説明した方がわかりやすいのでこちらを。
より効果的に歯を動かすために上下のマウスピース、または歯にボタンのようなアタッチメントをつけてゴムをかけます。私の場合は上の歯のギリギリ見えないあたりから下の前歯の横あたりにかけていたのでそこまで目立ちませんでしたが、症状によっては以下の写真のようにしなければいけないことも。
この状態だとやはり目立ってしまいます。上下の歯の中心線が結構ずれていたりするとこうなる場合もあるそうです。
この写真の時点で矯正は終了していますし分かりやすいように色を付けて描きましたが、実際はアタッチメントもゴムも透明に近いもので、色自体はそこまで目立ちません。
とは言ったもののゴムは好きに取り外せるので、人と会う時などは取ってしまった方がいいです。
またマウスピース自体もいつでも取り外せるので、大事な予定があるときや写真に写るときなんかは外してしまっても構いませんね。
痛み
どこのマウスピース矯正の紹介を見ても痛みは少ないと書いてありますが、実際は結構痛いです。
それもそのはず、今ある歯の位置と若干ずらしたマウスピースを強制的にはめるため、痛みがないわけがありません。
それでもワイヤー矯正よりは痛みは少ないですが、ワイヤー矯正と違って自分で痛いのを我慢しながらはめなければいけません。
マウスピースをもらうときにこのゴムの筒のようなものも一緒にもらい、これを噛んでマウスピースを歯に押し込んでいきます。
特に痛みが強いのが、新しいマウスピースに交換してから2~3日くらい。この期間を耐えれば徐々にマウスピースの形に動いていき痛みが少なくなりますが、1週間たったらまた交換するので同じ痛みの繰り返しです。
自分はなるべく早く治療を終えたかったので、本来1日20時間時間以上の装着時間が必要となっていますが、食事以外のほぼすべての時間、22~23時間程度つけていて先生と相談して5日交換にしてもらっていたので、ほぼずっと痛みがありました。綺麗になるために我慢していましたが、間食なども少なくなり痩せましたね。
どうしても痛みが我慢できないときは外して少し休憩することもできるので、そこはワイヤー矯正と違っていいところ。
あと、ワイヤー矯正では口内炎などで口の中が荒れやすいとよく言われますが、マウスピースでは荒れることはほとんどありません。たまにマウスピースのバリの処理が甘くざらざらして舌に口内炎ができそうなときもありましたが、その時は自分ではさみの刃の部分で少し削って滑らかにしてつけていました。
お手入れ
マウスピースはいつでも取り外しが可能なため、マウスピースと歯どちらも隅々まで磨くことができるので清潔な状態を保てます。ワイヤー矯正ではどうしても歯ブラシが届かないところもあり、虫歯などの原因にもなってしまう恐れもあります。
後戻り
約2年の治療が終わってその後は歯は動かさないですが、後戻りのないように同じ形のマウスピースを2年分くらいもらいます。そうすることによって綺麗なままの歯並びが定着し、その後の後戻りも少なくなります。
そんなに長い期間つけるのかと思う人もいるかと思いますが、この頃になるともはや習慣になっていますので全く気にならないです。
費用
費用に関しては約40万~120万程度です。高いと思われますが、歯列矯正は保険適用外なのでワイヤー矯正とほぼ同じくらいの値段になります。
もちろん部分的な治療だと安く、全体を治療したり歯並びの程度によって値段は上がっていきます。
私は確か初回に80万円支払って、あとは通院するたびに5,000円の治療費を払う感じでした。多くて月に1回の通院と考えてそれを2年間、
24ヵ月×5,000円=120,000円
総額で92万円くらいかかりました。
インビザラインのいいところは、通院費以外に初回に提示された金額以外は一切かからないという分かりやすさもあります。通院費も病院によって差があるかもしれませんのでカウンセリングの時などに聞いてみたほうがいいです。
結局ワイヤーとマウスピース、どっちがいいの?
絶対にマウスピース矯正の方がおすすめです。
マウスピース矯正の最大のメリットはやはりいつでも取り外せて、目立ちにくいというところにあると思います。
ワイヤー矯正と比べても値段や仕上がりの綺麗さにはほとんど差がありませんので、私からしたらもうワイヤー矯正を選ぶ選択肢はないと思っています。
ただ食事をしてすぐに歯を磨いてつけたり、自分である程度管理をしないと治療期間が延びてしまったりするので、その点だけは注意が必要かもしれません。
おそらくインビザラインを扱っているほとんどの病院で無料カウンセリングができるかと思いますので、迷っている方は一度カウンセリングだけでも受けてみることをおすすめします。